日本人の通勤時間と生活実態

日本人の通勤時間と生活実態

 

 

通勤時間の20分延長は給与削減と同等、研究

 

 

「1日の通勤時間が20分長くなることは、仕事に対する満足度でみると

給与が19%削減されることに等しい」とする研究論文がこのほど発表された。

 

 

英ブリストル(Bristol)にある西イングランド大学(University of the West of England )

の研究によると、通勤時間が長くなるにつれて仕事や自由時間の満足度が減少し、緊張感が

増幅されてメンタルヘルスにも悪影響が出るのだという。

 

研究を率いた同大のキロン・チャタジー(Kiron Chatterjee)准教授は、「長時間の通勤時間には

主観的幸福感に対するマイナス作用があり、それはとりわけ自由時間の損失によって生じることが、

今回の発見によって示された」と語る。

 

 

研究によると、税引き前の給与が毎月平均1,800ポンド(約27万円)、年収にして

2万1,600ポンド(約324万円)の人にとって、片道10分の通勤時間延長は、

月収が340ポンド(約5万1,000円)減少することに等しいという。

 

英イングランド(England)での1日の平均通勤時間は48分から1時間に上昇しており、

また7人に1人は、往復の通勤時間に2時間以上を費やしている。

 

バスでの長時間通勤については、仕事に対する満足度が最も下がることと関係している。

一方で、徒歩通勤は満足度を高め、自転車通勤も、従業員らの健康意識を向上させるとされた。

 

 

通勤時間が長くなるほど仕事への満足度により大きな影響が出ると答えたのは、

男性よりも女性の方が多かった。

 

このことについて論文は「家庭や家族に対する責任がより大きいことと関連している

と考えられる。徒歩や自転車での通勤は女性にとって、こうしたことに対応するための

肯定的な選択肢だ」と述べている。

 

 

長時間通勤は、仕事や自由時間への満足度に影響を及ぼすが、

生活全般では満足度が下がることはなかった。

 

チャタジー氏はその理由について、「(労働者は)長時間通勤を雇用や住居、

家族などの状況改善に関連する正当な理由として受け入れており、これらの要素が

生活全般の満足度の上昇に寄与しているため」とした。

 

また「長時間通勤を支払うべき対価として受け入れることは、それが不可避で、社会規範と
みなされた場合に限る」としている。

 

若年労働者や低所得層の人々では、長時間通勤による影響がそれほど大きくなかった。

この傾向については「これらのグループが、長時間通勤を避けることができないものとして

受け入れている」ためではないかと述べた。

 

 

「労働者らの仕事に対する満足度は、通勤時間の削減や在宅勤務、徒歩や自転車通勤などの

機会が得られた場合に向上する。これは、雇用主に対する重要なメッセージだ。

 

こうした通勤機会は、従業員の幸福感や職場への定着率、ひいては

事業コストの削減にも寄与するだろう」とチャタジー氏は指摘している。

 

 

 

国民生活時間調査

 

 

「国民生活時間調査」は1960年から5年ごとに行い、日本人の睡眠や労働、家事、

食事、テレビ視聴、インターネット利用など、普段の生活実態を「時間」という尺度で

とらえようとするものです。

 

今、日本人の生活実態はどのようになっているか、また、時代とともにどのように

変化してきたのか、などが調査結果からみえてきます。

 

この調査の結果は、NHKの番組編成だけではなく、日本人の生活実態を明らかにする

基本データとして広く活用されています。

 

 

【調査結果のポイント】

 

減少が止まった睡眠時間~一層進む『早起き』、そして『早寝』の増加~

 

テレビの視聴時間が高年層まで減少

 

広がるビデオ・インターネットの利用

 

続く長時間労働と働く時間の『早朝化』

 

急速には縮まらない家事の男女差

 

自由行動(レジャー活動・マスメディア接触など)の増加が止まり、

必需行動(睡眠や食事など)が増加