仕事上付き合いのある方で長年ブラジルに勤務していた方が
「ブラジルはいいよ~。将来移住しても良いかな~。」なんて言っていたが、
いったいどんな魅力があるのか。
日本の裏側で多くの日系人が住んでいるというところはしっているが、
その歴史やメリットなどについて整理した。
ブラジルに移住。歴史から見て日本から移る人が多いのはなぜ?
ブラジルへの日本人移住の歴史を紐解いてみると、移住が始まったのは
19世紀から20世紀になろうとしているころ。
このころブラジルではアメリカ南北戦争の影響を受け、奴隷解放が進められ
特に大規模プランテーション農家の労働力が不足していた。
他方の日本も日露戦争の影響で経済全体が厳しい状況に陥っていたことから、
需給のニーズがマッチしたという構図。
本来は出稼ぎ労働的に期間を切って労働するはずだったのが、そのまま定住し、
以降日系人がプレゼンスを発揮する結果につながるのだが、定住したのは
第二次世界大戦における日本の敗戦が大きな理由。
敗戦国に戻ったところで豊かな生活を望めないと思った結果、覚悟を決めて
ブラジルに骨をうずめることになったというわけ。
このあたりの経緯はブラジル移住の方法
住者を取り上げたNHKのドキュメンタリー番組「移住 50年目の乗船名簿」に
取り上げられている。
番組ホームページはこちら
私の祖母が樺太(現ロシア)出身であり、ロシアへ渡ったのは同じ時期。
祖母は戦後ロシアを追われ帰国したが、どこの土地を求めたかで終の棲家を
決められるというのは時代とは言え一種残酷でもある。
ブラジルに移住する方法。仕事やビザはどうする?
ブラジルへの移住の方法としては、学生ビザか就労ビザ、永住権ビザのいずれかが
なければならない。
永住権を取得すれば職種によっては仕事に就くこともできる。
永住権ビザを取得できる条件は個人の場合は科学者、教育者、研究者のほか、
ブラジル企業の経営を担う立場になければならず、現地側で受け入れてくれる団体、
企業の協力が必要。
ほかにもブラジル外貨で15万レアル(約430万円)と同額或いはそれ以上の投資を
行うことができる投資家であれば投資ビザが取得できる。
もちろん扶養家族が永住権ビザを所有していれば一般永住ビザを申請することが可能。
また退職した人はブラジルへ月額6000レアル(約20万円)と同額もしくはそれ以上の
送金ができれば退職者ビザを取得することができる。
退職者ビザの注意点は年金受給証明書の提出が必須であることと、
扶養家族の数に制限があること。(3人目からは10万円の上乗せ送金が必要になる)
他国に比べれば比較的簡単とはいえ手続きには半年くらいはかかるうえ、
書類審査もそれなりに減額なので、そう簡単ではなさそうだ。
ブラジルに移住した日本人のブログ。日記を見てみよう
ブラジル移住メリットはいくつかあるが、生活費の安さがある。
日本円はブラジル国内で3倍の価値がある。
日本人の平均給与は民間給与実態統計調査によると432万円。
単純計算で平均年収の人がブラジルで生活すると1300万円近い給与を有するということに
なるので、それだけでも豊かな暮らしができそうだ。
そのほかにもブラジル人の優しさや自然災害の少なさなどメリットをあげている
ブログはこちら。
ブラジル移住黎明期の方々が政府のプロパガンダに踊らされ、
ブラジルで衣食住面で厳しい環境に置かれたこと、短期労働と思っていたところが
戦争に踊らされ永住を余儀なくされたことなど、だまされたと思うような経験
を多くしたことと比較すると大きな違いがある。
今の豊かな移住環境も先人の労苦の上になりったっているということは忘れてはならない。
移住初期をつづったブログはこちら。
そのほか、
樺山滋人の「BRAZIL移民日記」(1979年、講談社)や
水野龍の「笠戸丸航海日記」(山中三郎記念バストス地域史料館所蔵)などが
記録誌として興味深い。
まとめ
現在のブラジルは先人の苦労もあり相当住みよい環境になっているのは間違いない。
初期の移住開始から100年以上が経過し、日系ブラジル人6世まで誕生している。
当時とは異なった問題も生じているようだが、少なくとも日系ブラジル人が
日本とブラジルの懸け橋になっているのは間違いない。
冒頭話した知人と今度あった際に、もう一度ブラジルの魅力を聞いてみようと思う。
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