ロマ民族、ジプシーという言葉をときどき耳にするが、
くわしく知らない人も多い。
実は古くから、ヨーロッパの多くの国に影響を与えてきた民族なのだ。
ロマ民族の歴史や、ヨーロッパに与えた影響を詳しく説明する。
ロマ民族とは?衣装(民族衣装)の画像も紹介
ロマ民族は、国を持たずに
主にヨーロッパで移動型の生活をしている人々の集団で、
ジプシーという蔑称で呼ばれることもある。
実際ジプシーの民族は、ロマ人だけではないのだが、
ロマ人がジプシーと差別的に呼ばれることも多い。
現在では安定した生活のために定住生活を送るロマ人が多くなっている。
ロマ民族の差別はどのようにして生まれたのか?
ロマ民族の歴史はインド北部を起源とすると言われ、
西暦500年ごろから中央アジアや中東に移動、その後バルカン半島、
東ヨーロッパに渡ったと考えられている。
移動生活をしていたために、その地の言葉も理解できず、
どこでも部外者として扱われ差別に至ったと考えられる。
中世のルーマニアでは、奴隷として扱われたり売買の対象とされたりもした。
ロマ人の家族のつながりの強さや、お見合いが多いという結婚観など、
ロマ民族の文化はヨーロッパの文化と混ざり合って今に至るが、
同時に例えばお見合い結婚するロマ人花嫁が
ヨーロッパの法律の結婚年齢に達していないことが
ヨーロッパでは人身売買だと思われたり、問題も起きている。
フランスでは、約80%の国民がロマ人の不法キャンプ撤去に賛成するなど
ロマ民族への差別は続いていて、ロマ人の就労制限を緩和するなどの政策も出ているが、
今のところ効果的な解決策とは言えないようだ。
下のサイトを見ると、ロマ人の生活や独特の文化がわかる。
民族衣装の画像もある。
https://kirari-media.net/posts/89
ロマ民族の音楽って?民族楽器も独特?
移動型生活をしていたロマ人たちは、占いや舞踊、
音楽などを生業にしていた。
訪れた地の音楽と融合したり、その地の音楽に影響を与えたりしており、
例えばスペインのフラメンコもロマの民族舞踊と
音楽が原型であったとも言われている。
ロマ民族特有の民族楽器はなく、ギターやバイオリンなどを使うが、
テンポや音の強弱などを駆使した軽快で自由な、
またはノスタルジックなメロディーがロマ音楽の特徴だ。
ロマの民族音楽が、ヨーロッパに影響を与えた例として、
ルーマニアのマネーレという大衆音楽がある。
クラシカルとモダンという2種類のマネーレがあるが、
マネーレ歌手はほとんどがロマ人である。
フランスでは、クラシックやジャズのような音楽がさかんだが、
ロマ音楽とジャズが融合してジャズ・マヌーシュ(ジプシー音楽)という
民族音楽が生まれたところでもある。
ギターやバイオリン、クラリネットなどを使用し
自由で軽快なリズムのメロディーを奏でる音楽だ。
まとめ
ヨーロッパ全土に広がり定住生活をするロマ人が増えているとはいえ、
今なお偏見や差別を受けているロマ人だが、
彼らは多くの国の文化に影響を与えて、芸術文化の発展に寄与している。
ロマ音楽が聞ける映画やコンサートもあるから、
そんなチャンスからロマ人への理解を深めて
蔑視や差別が少しでもなくなるといいと思う。
ロマ民族に異常な興味を示しているのは、
自分と同様インドのゴアに惚れ込んでいるジョシュアだ(笑)。
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