親を尊敬できないある男の、本当の心の中


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日本海にほど近い、ある北国の町。
親を尊敬できないことに悩む、活発な少年がいた。

 

 

 

 

 

尊敬できない親を持ったある男の話

 

冬が長く、寒さが厳しい東北。

 

度々、何か悪さをしては厳格な父から

厳しい体罰を受けるのは、4人兄弟の中でいつも彼だった。

 

 

短パンに薄着のまま雪のちらつく庭に出されては、

父に謝ることを繰り返す。

 

父にたてつくことができない母ではなく、

優しい姉に慰められながら過ごす、少年時代。

 

 

正義感の強い彼はある日、学校でいじめられていた

弟を守ろうとして、少年達をフルボッコに。

 

それを知った父は「お前が悪い」と、

帰宅した少年を殴り続けた。

 

 

毎日続く理不尽な体罰に、

親を尊敬できないという思いが彼の中で強くなっていく。

 

守ってくれない母親もまた、彼には尊敬できない人だった。

 

 

一つ、忘れられないエピソードがある。

 

 

高校生になった彼は、学園祭で目立って女の子にモテたいと、
当時組んでいたバンドでビートルズの曲を披露しようと計画した。

 

今では音楽の教科書に載るような神バンドも、

当時はロックが悪と評されていた時代。

 

 

計画を知った教師達は

 

「お前、それやったら停学だからな」

 

と、強く釘を刺した。

 

 

彼はその警告を無視し、

実際にライブでビートルズを何曲も演奏。

 

全校生徒を巻き込み、学園祭は

今までにない盛り上がりを見せた。

 

 

そして、彼とバンドメンバーは停学に。

 

彼がやんちゃであることを象徴した出来事だ。

 

 

 

 

 

親を尊敬できないまま成長した彼

 

高校卒業後に上京し、新宿でバイトをしていたときに

同じく上京していた弟が連れてきた女性。

 

日本人離れした長身とその美しさに、

彼は一目惚れした。

 

弟と同じ美容学校に通っている彼女は、

彼からの熱心なアプローチに心を開き、交際を始める。

 

 

バイトでつなぐ貧しい彼は、彼女に

「服飾デザインを学びたい」と打ち明けた。

 

本気の思いに動かされた彼女は美容学校卒業を諦め、

化粧品会社のヘレナに就職し、彼のサポートを始める。

 

 

もともと天性のセンスと才能を持ち合わせた彼は、

デザイナーになりその才覚を発揮。

 

コムサMENを立ち上げ、芸能人では永ちゃんや

「東京ラブストーリー」の俳優達のスタイリストを担当するなど、

飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍を始める。

 

 

陰りが見え始めたのは、女性問題で

会社を辞めざるを得なくなった頃から。

 

 

独立して数名のデザイナー仲間と神宮前にアパレル会社を

立ち上げたのはよかったが、経理担当として入れた外部の人間が

まさかの持ち逃げ。

 

バブル崩壊の余波も受け、1,000万円だった資本金は

数カ月で3,000万円の負債に変わった。

 

会社はあえなく倒産。

 

 

「堂々と外を歩きたい」
「小さくても、この家だけは手放したくない」

 

そんな思いから、夜逃げなどに走ることはなかった。

 

元いた会社を始め、複数の会社の仕事を掛け持ちながら

借金返済の日々が始まる。

 

 

数年後には、

ある縁で全く畑違いの建築業で、自営を開始。

 

慣れない肉体労働で手や指を腫らし、

体がボロボロになりながらも早朝から出かけていく毎日。

ときには、深夜に独りビルの中で作業をすることも。

 

椎間板ヘルニアで何週間も動けず、家計に影響が出ることを危惧した
彼は、体をだましながら車で東北に戻り、オペを受けて戻ってきた。

 

 

借金も家のローンも終わり、65になって

彼が始めたのはなんと、原宿の一等地でのライブバー。

 

これまた慣れない接客、立ち仕事。お酒を作ることや、

ホームページやfacebookの運営も、全てが分からないことばかり。

 

 

守りに入らない姿勢を常に背中で見せてくれる、彼。

名前はセイシン。

 

そう、俺のオヤジだ。

 

 

 

 

 

親は大切な存在。たとえ尊敬できないとしても、忘れたくないもの

 

覚えているのは、

 

「DAN、絶対に逃げるな。
面倒な問題から取り掛かれ」

 

 

幸せな成功者に逢い、何を選ぶかどう行動するか、

その価値観にも幅ができたが・・・

 

トラブったときに焦らず、肝が据わるようになったのは、間違いなく
彼のアドバイスのおかげだ。人に対しての責任感も強くなった。

 

 

オヤジのおかげで、

自分自身と向き合う機会にたくさん恵まれた。

 

個性心理学の診断では、彼がチータ、俺がライオンなので広く

言えば同分類。お互いに大きな成功を目指し、我が強くぶつかること

少なからず(笑)。

 

母ちゃんを裏切ったこと。
短気だし、過去のことを何度も責めること。
自分のことにばかりお金を使っていること(笑)。

 

母ちゃんを幸せにしていないという思いが、
俺をマザコンに変えた(笑)。

 

 

尊敬できない親を持ったことで植えつけられた劣等感を、
他人に激しくぶつける一面もある。

 

俺と同じで、まだまだ未熟。

親としては完璧ではないし、子供だと感じることも多いし、
尊敬できない面があるのも事実。

 

 

ただ、それ以上に感謝の気持ちがあり、

今はそれを素直に伝えたい。

 

 

不器用で、一生懸命で、本能のままに生きている彼。

 

洗練されたファッションとは対照的に、秋田らしい

素朴な面が抜けていないのも人間らしかったり(笑)。

 

 

何より、彼は今もチャレンジを続け

それを背中で見せてくれている。

 

 

彼の誕生日に、彼に向けたはなむけの言葉。

 

オヤジ、ありがとう。

 

 

 

 

 

PS.

なぜ尊敬できないのか。
自分とは何が違うのか。

 

いろいろ考えてしまうこともある。

 

 

とはいっても、親は親。

感謝したい気持ちもあって複雑。

 

では、どのように捉えればいいのか・・・

どのように気持ちを切り替えればいいのか。
ぬかりなく説明しておいた。

 

次の記事も読んでもらえればと思う。

 

→ 親を尊敬できない場合の3つの捉え方

 

 

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コメントは22件です

  1. […] 親を尊敬できないと言いながらも、その意見に影響を思いっきり […]

  2. […] そのチャンスをくれた「親を尊敬できない」が口癖の […]

  3. ひろ より:

    尊敬されるような親になりたいと思っていましたが
    そうでなくてもいいのかも?と思いました。
    子供は親の背中を見て育ちますよね。
    私は親のことを、今頃になって尊敬しています。

  4. まあや より:

    親というのは子供にとって大事な存在です、子どもの人格をつくるにあたって親はほとんどを構成してるそうですね。

  5. オレンジ より:

    当時は辛い思いをされてきているからこんな言葉は不似合いかもしれませんが、素晴らしい体験をされてきたんだなと思いました。わたしの両親も似た感じでどちらが子どもなのかと思うときがよくあります。父は両親の愛情を充分に受け取っていない人だと感じています。だから、本当の愛を体験して命をまっとうできたらこんなに素晴らしいことはないな、と思うところです。でも、それを受け取るかは父親次第なのでどうなることやらです。

  6. kawarimo より:

    尊敬できないのは親だけではありません僕はいろんな日本人の周りの人が尊敬できない腐った上司もそうです早く自由になりたいんですでもやっぱり派遣だから難しかったりします言いたいことも言えないし親は昔と変わりましただいぶ尊敬できるになりましたでもねーやっぱりいろいろ嫌になるんですよねやっぱり難しいところがあります弾さんのように海外に行って思考が開けたらまた変わるんじゃないかとも思っていますどうなるのかわかりませんが僕もチャレンジしたいと思いますこれからも情報よろしくお願いしますいつも楽しみにしています

  7. マックス より:

    DANさんもすごい方だと思っていますが、そのお父様もさらに壮絶な人生を歩んでこられたすごい方だったのですね。そういう頑張ってこられた方の経験をお聞かせいただくだけで力になります!

  8. ピグモン より:

    学生時代の時には気づかないことはたくさんありますよね!私自身も当たり前だった生活習慣が、親離れした時に押しおせました。親の偉大さは感じる以上にあると思いました!

  9. なぎ より:

    今、私は嫁いで父と離れて住んでいます。嫁ぐ前は父子家庭で親一人子一人の生活をしていました。毎日仕事で夜は飲んだくれて帰ってくる毎日で‥「どうしようもない人」だと思ったこともありました。嫁いでから辛い時に思い出すのが「父との笑って過ごした生活でした。「尊敬できない親」だと思っていても心のどこかに必ずいる存在が「親」なんでしょうね。

  10. みらい より:

    難易度の高い人生から這い上がった彼、とっても素敵です。
    つらい経験をしたからこそ、幸せな生き方をした人が見つけられないことや、学べないことが経験できるのでしょうね。
    強くたくましく前向きでとても尊敬できます。
    きっと苦労したぶん、たくさん幸せを感じられて、いい人生になりますね

  11. まい より:

    親から言われた言葉ってその時は分からなくても大人になったり、何か壁にぶつかったりした時に思い出したりしてその意味に気づくことってありますよね。
    私自身親には勉強はできなくてもいいから嘘はつくなと育てられてきました。
    今の自分がそれを実行できているのかは分かりませんがその言葉は常に心にあります。

  12. ひかり より:

    親を尊敬して育った旦那さん。
    仲はそんなに良くないかもしれませんが
    今でも常に尊敬しているようです。
    自分の子供にしてやりたいことがはっきりしていますね。
    親を忘れた事はありません。

  13. cocot より:

    ビートルズを演奏して停学ですか…昔は頭が固い先生ばかりでしたからね。
    私も小学生の時は竹刀を持って歩いてる先生がいましたよ。
    今じゃ保護者の手前そんなことは出来ないと思いますが当時は怖い先生もいるってアピールですかね。

  14. makostyle より:

    私も親父とはウマが合わずというか嫌いです。なぜかというとサザエさんの波平さんなど比べ物にならないくらいに理不尽に厳しいからです。しかし、その嫌いな父が年を老いてきたのを見ると、最近昔よくしてもらったことを思いだします。

  15. 凛玲 より:

    昔はどこの家族もお父さんが1番の権限の持ち主なんじゃないんですか?
    お母さんはなかなか意見を言えなくてただ、着いて行くだけの方が多い時代ですよね。
    今じゃ、考えられませんがね。

  16. カオ より:

    子供を育ててる今考えさせられました。
    尊敬される親になりたいですね。
    お父さんの話を読んで感動してしまいました。
    子は親の背中を見て育つですね。

  17. アカ より:

    お父さんの武勇伝よかったです。
    尊敬できることと感謝することは別物なんですね。
    感謝はするけど、尊敬できないって。打ち込みながら
    そう思うことあるって感じました。

  18. せるりあん より:

    「どちらかを選択するとき、より難しい方を選べ」というのは
    聞いたことがあります。
    尊敬以上に感謝がある。親って確かにそんな存在ですね。

  19. ルルナ より:

    借金を抱えると大変ですよね。
    毎月の返済や生活費の区分で毎日死に物狂いで働かないといけないですよね。
    収入も余裕を持って生活したいです。

  20. me より:

    泣きました。お父様のバイタリティそのまま引き継いでいるのではないでしょうか。少なからずめんどくさい事から逃げてきた小さいうちの父よりはよっぽど尊敬できます!素敵なお父様ですよ。

  21. 中川創聖 より:

    僕は残念ながら親を尊敬したことはありません。むしろ下に見ています。ですが僕の親は悪い見本としてみています。僕も親についてはとても苦しい思いをしたのでDAN酸の意見がよくわかります。

  22. あい より:

    親を尊敬できない人は
    尊敬される親にはなれないと思います。
    大人になって、改めて親の大切さに気付きました。
    尊敬できない親だとしても
    やはり親は大切だと思いますね!!

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