コミュニケーションに自信はおありだろうか。
生きていれば避けては通れない対人関係におけるスキル。
コミュニケーションを図るのが得意とか好きだという人もいれば、
好きではないがそれなりにこなしているという人。
中には全くダメで苦痛でしかない、生活に支障をきたす程の人もいる。
よく耳にする「コミュ障」や「コミュ力」とは実際どんなものなのか。
改めて知っておきたい。
目次
対人コミュニケーションとは?論文の定義
そもそも対人コミュニケーションとはなんだろう。
言葉としては日常生活の中で頻繁に聞く単語だが、
その定義を正しく理解出来ているかというと微妙だ。
コミュニケーションは、意思の疎通をし、互いを理解することで成立するが
そのコミュニケーション能力を対人で行うのが対人コミュニケーションである。
人は対人においてコミュニケーションが不可欠で、
それ無しには共生していくことは出来ない。
対人コミュニケーションの過程は、気持ちや感情を他者へ表現する送信と、
それを受け取る受信で成り立つ。
どちらか一方だけが機能していても、それはコミュニケーションとは言えない。
「対人」とは当たり前だが自分一人ではなく、相手の事を考える必要がある状況だ。
対人コミュニケーションは5つの要素で成り立っている。
1、しっかりした自己概念を持っていること
2、相手からよく聴くこと
3、自分の考え、アイデアをはっきり表現すること
4、感情を効果的に扱う事
5、真実をもって相手に自己開示すること
1は、まずは自分が何であるのか、
どんな人間であるのかをしっかり自分で知っている事。
これが無ければ相手にも分かってもらえない。
そして2。相手からの投げかけをきちんと聴くこと。
「聴く」が出来ている人間は実は少ないかも知れないが
きちんと聴くことで、相手の言いたいこと、
伝えたいことをより正しく受け取ることが出来る。
3は自身の考えをはっきり表現する。せっかく色んな考えやアイデアを持っていても、
相手に伝わらなければ仕方がない。
伝わるようにはっきり表現することはとても重要である。
この4がなかなか難しいかも知れないが、
感情をうまくコントロールしてより効果的に相手へ伝える。
これは、伝えるだけでなく自分が受け取る側になったときにも大切となるだろう。
5、自分はこう思う、とか自分はこうであるという事を
相手に開示することで、自分を知ってもらう。
また、開示されることで相手もこちらへ自己開示をしやすくなる。
これらをすべて、意識的に上手く使いこなすのは大変なのだが、
こういったコミュニケーション能力によって対人関係は円滑に成り立っていくのだ。
コミュニケーションのスキルは対人においてとても重要であり、
言葉として聞くまで日常であえて意識することは少ないが、
周りを見れば赤ちゃんだって、泣くという方法で何かを伝えようとする。
コミュニケーション能力は、言わば生まれた時から必要となるものだ。
会話という表現以外にも様々な方法で、我々はコミュニケーションをとっている。
コミュニケーション能力と対人スキル(能力)。コミュニケーション能力について心理学では?
対人関係とコミュニケーション能力の意味の違いが何なのかというと
対人能力(対人スキル)とは、他者と良好な関係を築き、
それを維持していくために必要とされる能力のことで、
コミュニケーション能力は、お互いの意思疎通をスムーズにするための能力だ。
似通っているようだが、その場で必要な能力と、
それを維持し続ける能力と言おうか。
コミュニケーション能力は後の対人関係を円滑にする重要な意味があるが
対人コミュニケーションについては心理学でも教えるようで
対人コミュニケーションは心理学を学ぶ大学院などでも
カリキュラムとして組まれているし、
対人コミュニケーションと心理学の関りについての論文も多く書かれている。
心理学と対人のスキルには密接な関りがあるという。
心理学は心の在り方であり、スキルは会話の技術。
コミュニケーションをとるには会話の表現スキルが必要だが、
そもそも話をする前に、自分の心の在り方や何を感じて何を考えているのかを
よく知ることが前提だ。
心理学を利用することで自分と向き合い、伝えるために必要な事も分かってくる。
コミュニケーション能力を高めるためには、心理学は不可欠なものなのである。
対人コミュニケーションに障害がある人。対人関係の恐怖症ってどんなもの?
対人コミュニケーションに障害がある、コミュニケーション障害。
よく「コミュ障」などと称されるがこの言葉はネットスラングであり、
単にコミュニケーションが苦手なだけの人に対してや、
苦手と思っている当事者が軽い調子で使っているが
本来コミュニケーション障害とは、
対人において必要な場面で
十分なコミュニケーションを取れなくなってしまうというもの。
聴覚障害や発声器官が不十分であるなどの身体的なものや、
精神障害、発達障害など心因性の問題が原因となる、
対人におけるコミュニケーションの不全な状態が引き起こす障害だ。
また、コミュニケーション能力は対人恐怖によってうまく働かなくなることもある。
例えば、自身の容姿や臭い、しぐさなどが他人を
不快にさせるのではないかと気にしてしまうなど
様々な要因で人と会うことに強い不安や緊張、
恐怖を覚えてしまい、対人関係から遠ざかってしまう。
これは対人恐怖症と言われる神経症で、驚いた事に海外では
「Taijin kyofusho」と呼ばれているほど特に対人恐怖症は
日本で多く見られ、文化依存症候群とされている。
このように、対人恐怖症からコミュニケーション能力が
働かせられなくなっている場合、改善法としては、
その原因や対人恐怖を感じる状況が人によって異なるため、
個々に合わせた行動認知療法が行われる。
自分で意識的に出来る改善法としては、
まず自身が対人恐怖を覚えていることを自覚したり、
どんな時に不安や緊張を感じるのか、何が気になるのかを考えること。
対人恐怖症は、他人の目が気になる、
不快にさせているのではないかと気にして自分を否定的に見る人に多い。
本当に、周囲がそんなに自分を気にして見ているのか?
仮にそうだとして、それがどれほどの事なのか。
意識を変えるのはとても難しいことなのだが、自分を肯定的に見るというよりは
「よく考えれば、それほど気にする事ではない。」と思うことが出来るように、
自分と周囲の状況を客観的に見ることが改善の第一歩となる。
まとめ
コミュニケーションという言葉一つとっても、沢山の使われ方がある。
コミュニケーション能力、対人コミュニケーション、コミュニケーション障害・・・
恥の文化があると言われる日本人に、
コミュニケーション障害の原因となる「対人恐怖症」を患う人が多いというのは
何となく納得できる。
自分も、特に初対面の相手とは何を話していいかわからずに
つい黙ってしまうことがある。
心理学との関りや考え方を知り、なぜ気まずくなるのか、
なぜ黙ってしまうのかを根本から考える事が出来た。
対人コミュニケーションが苦手な人は、
周囲を気にしすぎてしまう傾向にあるようだが、
裏を返せば周りの事をよく気遣う事が出来ているともいえる。
自分の心と向き合い客観的に見つめて、
ほんの少しでも意識を変えることが出来たら、
きっと良好な人間関係を築いていくことが出来るのではないかと思う。
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