フィリピンの民族構成を調べると
大多数を占めるマレー系、中国系、そして少数民族となっているが、
実際はもっと細かく分かれている非常に他民族の国なのだ。
7109の島から成るという地理的事情や
外国による統治などの歴史が深く関わっている。
一度は聞いたことのある有名な人種から、
マイナーな人種まで一挙に紹介していく。
意外な人種構成に驚いた。
フィリピン人は多民族! 人種の種類と構成はどうなっている?
もともと、マレー系の人々が住んでいたが、
13世紀からスペインの統治が300年余り続き、
その後、アメリカの支配も受けた。
このため、マレー系でも
スペインやアメリカとの混血が非常に多い。
また、東南アジアの貿易港とも言われたフィリピンでは、
14世紀から商業や貿易、流通などの分野で
多くの華僑が活躍してきており、
現在も、中国にルーツを持ち
中国の習慣に基づき生活している人種が、100万人以上いる。
さらに、山岳地帯や南部に住む少数民族がいて、
他とは異なる独自の文化を持ち生活している。
これが、フィリピンの主な民族構成だが、
細かく民族を分けると、100~200と言われている。
そのうちの主な民族と構成は次のとおりである。
・タガログ族・・・フィリピンで最も多い民族で、全人口の28.1%を占めている。
母語のタガログ語が英語とともに、
フィリピンの公用語になっている。
おもに、マニラ首都圏、ルソン島南部に居住しているが、
最近は移住も多く、他地域にも居住している。
・セブアノ族・・・2番目に多く、人口の13.1%を占める。
セブ島や中部ビサヤ地方に居住している。母語はセブアノ語。
・イロカノ族・・・ルソン島北西部の低地や沿岸部を中心に居住している。
人口の9%を占める。
ハワイに移住したフィリピン系ハワイアンも多い。
母語はイロカノ語。
・ビサヤ族・・・ビサヤ諸島、ボルネオ諸島などに居住し、
人口の7.6%を占める。
・ヒリガイノン族・・・おもな居住地は、フィリピン中部、
パナイ島南部、ネグロス島西部などだ。
人口の7.5%を占める。母語はヒリガイノン語。
・ビコール族・・・ルソン島東南部のビコール半島に多く居住し、
人口の6%を占める。母語はビコール語。
・ワライ族・・・ビサヤ地方、レイテ島、サマール島に居住し、
人口の3.4%を占める。母語はワライ語。
・その他‥25.3%
単一民族の日本人からすると、このように多くの民族が
一つの国の中で
同じ法律に基づいて生活していることに驚いてしまう。
フィリピン人の人種の違いには差別もあるのか?
これだけ多くの民族と言語があると、
違うことが当たり前と思い受け入れて
お互いを認め合えるはずだと思うが、そうではない。
フィリピン人の間でも人種差別があるのだ。
俺の友人はセブ島に住んでいるが、
その地域は、ビサヤ圏と言われ、
ビサヤ語を話す人が多く、
公用語のタガログ語は、理解はかなりできるのだが、
話すことが少し弱い。
友人はタガログ語が、まだあまりうまくなく、
フィリピン人との会話も
英語になってしまうらしいが、
そんな彼でも、ビサヤ人に
「タガログ語が、うまい」
と、言われるくらいだ。
それで、タガログ人は、
ビサヤ人は標準語が話せない田舎者だと
バカにすることがある。
一方、ビサヤ人は、標準語を話すくらいで、
見下してくるタガログ人が好きになれない人もいる。
また、少数民族への差別もある。
彼らは山岳地帯に住むネグリト、ボントック、イフガオなどという民族と
フィリピン南部に住むモロ族で、全人口の1%ほどだ。
自分たちの文化と土地を守りたい少数民族と、
土地を開発して利益を得たい企業とが対立し、
少数民族が差別を受ける。
また、少数民族の低身長、肌が黒褐色という
容姿も蔑視の理由になっている。
これらの少数民族からも国会議員や地方議員が出てはいるが、
少数民族の権利を政治に反映させるまでには至っていない。
まとめ
外国へ行かないと異文化が体験できない日本人からみると、
フィリピンは国内でも
常に、異文化に触れられる刺激的な国だと思う。
やはり、差別は存在するが、
子どものときから
他の人種を受け入れることを経験してきている。
人と違うことがよくないと考えがちな日本人だが、
違うことが、普通のことで違うことを
認め合うということをフィリピンから学べると思う。
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