「フィリピンってピル安いんでしょ?」と、
遠まわしにピルをおねだりされることがある。
避妊目的でピルを欲しがる女性が、男にピルのおみやげを頼むわけがない。
つらい生理痛を緩和したくて低用量ピルを欲しがるのだろう。
痛くなったらすぐセデ〇とか、半分は優しさでできてるバファ〇ンとか、
日本のドラッグストアで手に入る鎮痛剤の類いを飲めば? と言うと、
お前なんかにあの痛みがわかってたまるか、とでも
言いたげなまなざしで「効かない」と言われる。
そうですか、効きませんか、
それはそれで鎮痛剤に耐性ができちゃってるってことだから、
危険は危険なんですけどね・・・、と、
医者でもないのに持っていたムダ知識をつぶやき、
次はピルをおみやげにする、と約束した。
そうフィルピンではピルを簡単に購入できる。
フィリピンのピルは安い。
しかしそれは日本人の経済感覚で言って安く感じるだけで、
現地のフィリピン人にとっては決して安いものではない。
フィリピンでピルを購入する方法、ネットでの購入も可能?
確かにフィリピンでは低用量ピル日本と比べてはるかにが安い。
世界で最もメジャーな低用量ピル・トリキュラーの場合、
日本だったら初診代で10,000円以上、
月ごとの薬代だけで毎月3000円から5000円はするというが、
フィリピンでは1カ月分の1シートが500ペソ(約1,000円)くらい出せば、
処方箋なしに薬局で手に入る。
だが、フィリピンで500ペソといえば、
およそスーパーの店員のアルバイト料の1.5日分の給料に相当する。
こんなに高くて普及するはずがない。
ドゥテルテ大統領は人口の過剰な増加に危機感を持っていて、
反対派の声を無視してピルの普及を演説したりしているが、
こんなに高い薬を避妊目的で買う女性は本当に少ない。
安い薬と聞いて薬効を疑うあなたは、
飲む前からプラシーボ効果が効いていると考えてくれていい。
薬は薬局で買う限り、
製薬会社の決めた消費期限を守って販売されている。
フィリピンのような日本に較べてアバウトな国でも、
薬剤師のいる薬局で買うなら、
安全性は保証されているも同然だ。
スーパーで激安ピルを売っているのも見かけたことがあるが、
消費期限の切れた薬が流れ着く場所だと知っていれば、
どんなに安くても、信頼できない薬を買うのはおすすめできない。
当方も責任を持てない。
水商売っぽいフィリピ―ナがわしづかみで
ピルシートを買っていく姿を見たことがあるが、
医療後進国としてのフィリピンを憂いたくなる光景だった。
ネット通販でのピル購入もしやすくなった。
個人輸入の代行サイトなら、
日本語で注文できる。
ただし、医師の診断なしにピルを服用することになるので、
自己責任の部分が大きくなることは
自覚して購入するしなくてはならない。
フィリピンではアフターピルも購入できる?利用者の声は?
フィリピンではアフターピル(事後ピル、緊急避妊薬)も売られているが、
医師の処方箋なしには購入できない。
フィリピンはキリスト教国で、
堕胎が非合法であるのと同じように、
避妊もまた宗教的な罪のように考えられているところがある。
日本でもアフターピルを飲むような状況はまれだろう。
コンドームの破損や避妊なしの性行為などがほとんどのはずだ。
アフターピルは「緊急避妊法」という名前のとおり、
緊急措置で処方されるものだ。
ホイホイと薬局で買えないのは、そうした理由がある。
フィリピンでアフターピルを処方されるケースでは、
レイプされた女性への事後避妊をうながす目的で処方されることがある。
フィリピンは日本の10倍、
強姦事件が発生している(10万人につき10人)。
ちなみにイギリスは、
日本の50倍の頻度で強姦事件が起きている。
恐ろしいイギリス。
アフターピルを飲んだフィリピ―ナの話を聞いたことがあるが、
彼女の場合はレイプ被害者だった。
望まない子どもができなくてよかった、と
彼女は言っていた。
レイプ被害という心の深い傷を負いながら、
愛せそうにない子を身ごもらなかったことは、
片手で数えられるくらいの少ない希望の一つだったのだ。
コメントフォーム