「フィリピンの映画監督について
教えてもらえますか?」
かなりマニアックなことを聞いてきたのは(笑)、
大阪アジアン映画祭で企画を担当することになった
梅田の雅治だった。
映画監督の前に。フィリピン映画ってどんなもの?
フィリピン映画は、日本やインドなど各国の映画がそうであるように
国内での生活やドラマを描いたものが多い。
そして最近はテーマも多岐にわたり、現地での生活の大変さや
ラブコメ、ファミリードラマ、スリラーやサスペンス、そして
実写とアニメの融合した俺の大好きな「ロジャーラビット」のような作品まで。
フィリピン映画が伸びている背景としては、現役でバリバリ活躍している
映画監督が若手を自己所有の店で住み込みで働かせ、映画制作に関わらせたりと
とても面倒見が良いこと。
フィリピン人のホスピタリティは、
この業界も後押ししている。
ちなみに「Die beautiful」というトランスジェンダーの死を描いた映画は
日本でも賞をとっていたりと、フィリピン社会に大きな影響を与えた作品。
周りの仲間を見た俺の感覚でも、フィリピン人男性の30パーセント以上が
バクラ(オカマ)のイメージ(笑)。
この映画を観ておくと、
よりフィリピン社会を理解しやすくなる。
おすすめのフィリピン映画監督と作品
個人的には、クライムサスペンスの「Bird shot」。
飽きさせない展開、緊張感のあるシナリオが魅力的だ。
なんと映画監督のミカエル・レッドは若干24歳というので、
その才能に驚く。
その他フィリピン人映画監督として有名なのは
ブリランテ・メンドーサ。
「Manila daydream」「Foster child」「キナタイ
マニラアンダーグラウンド」「ローサは密告された」
などで多くのフィリピン人が知っている監督。
ラヴ・ディアスや
ヤム・ララナスも知名度は高い。
またこれはかなりレアだが、日本人の映画監督による
フィリピンを舞台にした「ブランカとギター弾き」という映画も。
マニラの子供達との触れ合いが描かれている。
定番の単館映画館としてよく通っていたシネスイッチ銀座で、
一時帰国時にこれを観た。
さらに変わり種として、クォーターの浅野忠信が
台本もセリフもあらかじめ設定されないままで演じた
「壊れた心」。
マニラのマフィアを描いている映画だが、これも
迫真の演技を楽しめる。クリストファー・ドイルの作品
ということもあり、魅力的に仕上がっている。
現地人にも人気の日本映画については、日本の夏休み期間に
ルソン(マニラ・バギオ)、セブ、ダバオなど各地で日本映画祭
(EIGASAI)が開催され、現地で日本映画を楽しむことも可能。
期待せず観て意外と面白かった
「ビリギャル」も上映されていた。
フィリピンの首都マニラで活躍する日本人移住仲間の
ばかり言う人の心理を知り尽くした元インディーズ映画監督。
マニラに住む日本人仲間の中でも、
俺とは太った猫好きという点で共通する(笑)。
コメントフォーム